「子どもにとって大切なこと」「私たちができること」

令和5年2月26日(日曜日)、里親ってなあに?説明会&トーク会「中高生が里親家庭で暮らすこと」と題して、イベントを行いました。今回、里親制度に関する説明とともに、中高生と一緒に生活をしている里親さん、里親家庭や児童養護施設等の生活を経験した子どもや若者のサポートをしている、アフターケア相談所「ゆずりは」所長の高橋亜美さんをお招きして、お話を伺いました。

里親さんからは、実際に関わっている中で、子ども自身が子ども時代に甘えた経験がなく、大人に心配してもらった経験が少ない子や、「自分が生まれてきてよかった」という気持ちが持てない子たちと出会ったその経験を踏まえて、里親として、まずは否定せずに気持ちを受け止めて話を聞くこと、子ども自身が地域を含めた大人に大切にしてもらえる経験ができるよう工夫している、というお話がありました。

また、高橋さんからは、自身が関わっている子どもや若者が、子ども時代に安心できる大人の存在や居場所がなかったために、いざ一人で生活していくとなったときに、当時のしんどさが出てきて大変になってしまう現状があること、サポートする周りの大人が、子どもを熱心に頑張ってと励ますことで、子ども自身が逆に相談しにくくなったという経験から、大人が何かしてあげるのではなく、「一緒に考えること」が大切で、「何かをしてあげたいという気持ちを、どう手放すか」、ということに向き合っているというお話もありました。

会を通じて、子ども自体に「大人が心配してくれる経験」や「家庭が安心して暮らせる自分の場所である」ということが、実際に子どもが安心して育つためには、とても大切なことであることを改めて学び、また私たち自身、日々「誰かをサポートする」ということの意味も振り返りながら、日々のかかわりの中で、実際私たちに何ができているのだろうかと、また大きな宿題をもらったようにも感じました。