自立援助ホーム トリノス概要

自立援助ホーム・トリノスについて知っていただければ幸いです。

自立援助ホームとは

自立援助ホームとは、児童福祉法第6条の3、同法第33条の6において、児童自立援助事業として、第二種社会福祉事業に位置づけられ、義務教育終了後何らかの理由で家庭にいられなくなり、また、児童養護施設等を退所し働かざるを得なくなった、原則として15歳から22歳までの青少年が暮らすところです。トリノスは男子6名のホームです。

入居理由は様々ですが、家庭の貧困により充分な養育を受けられなかった方、長い間虐待にさらされていた結果、社会性に乏しく、ひきこもり生活を余儀なくされていた方などが近年は増加傾向にあります。

利用者は毎月3万円の利用料(家賃、朝夕食費、光熱費、日用品費等含む)をホームに支払いながら、就労し、貯金をつくって、一人暮しを開始する準備をします。また、共同生活となりますので、皆が心地よく生活できるように、ホーム内のルールを守っていただきます。

入居希望の方は自分が住んでいる地域の児童相談所へ申し込みをしてください。申し込み後、ホームでの見学・説明会を経て、入居の意思が固まり次第、トリノスでの生活がスタートします。

スタッフは利用者と共に寄宿生活をしながら社会人として自立できるための様々な支援を行います。就労先の開拓やスキルアップ、金銭管理や一人暮しのための生活の知恵を伝えるといった具体的な自立の手段にとどまらず余暇の過ごし方の提案や健康管理、治療のための通院への同行、生い立ちの整理など多岐に渡った支援を行います。

トリノスのミッションステートメント

私たちは以下のミッションステートに基づき、トリノスの運営を進めております。

使命

私たち自立援助ホームトリノスは、「優しい社会をつくる」を合言葉に、色々な事情を抱えた利用者たちそれぞれのハンデを乗り越え、その人らしく生きていける世の中を作ることに寄与します。

目標

利用者の自立を支える「基地」を作ります
日々自立に向けて社会の荒波と戦う利用者のチャレンジを応援し、疲れを癒す「前線基地」として快適な住環境を整えます。またホームを退去した利用者がいつでも相談をしに戻ってこられるような「補給基地」の役割も果たしたいと考えています。

利用者が社会生活において再現できる「生活術」を伝えます
利用者がホームを出た後の生活においても自分で継続できる生活の知恵、スキルを伝えます。特に金銭管理、ゴミ処分、食生活、健康管理の4つの側面について重点的にアドバイスをします。

利用者が「自己決定」できる機会を保障します
ホームで生活することを通して、利用者が課題に直面した際に自分で考え、判断し、行動に移す機会を保障します。また職員との定期的な面談を通し、自立に向けての目標と進捗状況の確認をすることで、利用者が自分で今後の生活を選択していく実感を持てるよう支援します。

行動指針

人と人のつながりを大切にします
ホームで生活をしている利用者、退去をした利用者をはじめ、そこで出会うすべての人たちとのつながりときずなを大切にしながら、利用者の自立と将来の幸せの実現のための支援を行っていきます。

自立を支援するプロフェッショナルとしての自覚を持ち続けます
様々な困難をかかえた利用者が社会的な自立を果たし未来へむけて飛び立てるように、それを支援する職員として日々研鑽を積む努力を怠らず有機的な連携を果たせるプロフェッショナルチームとして働き続けることを心がけます。また利用者の隣で同じ方向を目指して共に歩み成長することを目指します。

ホーム長からのご挨拶

 構想15年、準備期間3年を経て2016年4月に、自立援助ホームトリノスを開設させていただきました。

 「トリノス」とは、私たちの母体である社会福祉法人二葉保育園のシンボルである芽吹いたばかりの小さなふたばが、長い時間を経て大木となり、その木の上にできた小さな鳥の巣をイメージして命名されました。同法人内には、社会的養護に携わる事業所として、乳児院、児童養護施設がありますが、トリノスは、育った雛が成鳥となり巣立っていく時期の支援を担う事業所として位置づけられています。

 トリノスは都心から少し離れた自然に恵まれた静かな環境にあります。そこで、様々な事情で中学を卒業後に自立を余儀なくされた青少年の方たちが就職や就学をしながら生活を共にします。スタッフは利用者ひとりひとりの自立への歩みを日々の共同生活を通して様々な形でサポートしていきます。

 利用者の方たちそれぞれの困難と課題に対して、いつも同じ目標へ向けて、寄り添い走る、よき「伴奏者」となるためスタッフ一同精一杯努力して参ります。