地域分散化と家庭的な養育体制

二葉学園は以前からグループホームでの養育に力を入れていて、地域分散化を進めてきています。

子どもたちはグループホームのあるそれぞれの地域の学校に通い、各地域の活動に参加をしながら生活を送っています。

グループホームで子どもたちを支援するメリットとしては、より家庭的な養育を子どもたちに提供できるところにあります。職員はそれぞれ配属されたグループホームへ直接出勤し、ホームの近くのスーパーに買い物に行き、その食材を使って自分たちで各ホームでご飯を作ります。買い物や調理をする時に子どもたちに手伝ってもらい一緒に作ることで、子どもたちがより家庭感を感じることができたりするのかなと思っています。食事は子どもたちの生活にとって大きなものの一つであり、職員としては毎日子どもたちがそれぞれ学校から帰ってくるとすぐに台所に来て、「今日のご飯何?」と聞く姿をとても微笑ましく感じています。

また、よりそれぞれの子どもたちに合わせた支援が丁寧にできることもグループホームでの支援のよさの一つではないかと思います。各ホームには年齢も学年も異なる子どもたち6名が生活をしています。一斉に決められた時間軸で動くのではなく、幼児さんから高校生まで、また部活をしている子、アルバイトをしている子、習い事をしている子と様々な生活のリズムに対応し、その子たちに合わせた時間軸で支援を行うことができることで、子どもたちの生活の安定につながっています。職員にとっては、幼児さんと入浴をし、小学生が帰園すれば宿題を見たり、明日の学校の準備を一緒にしたり、中学生が部活から帰ってきたら使ったものを洗濯したり、アルバイトをして遅く帰ってきた子には夕食をあたため、今日の学校やアルバイトの話しを聞いたり…とやることがたくさんあるのですが、それぞれの子どもたちの話をより丁寧に聞くことで小さな変化に気づくことができたり成長を感じることができます。子どもたちとともに歩み、人生の一部に関わることができることがこの仕事のやりがいにつながっていると思っています。

一日の最後に子どもたちとお茶を飲みながら他愛もない話をしたり、一緒にテレビをみたり、時に今後の進路の話、自分たちの今までの生活の話など真面目な話をする時間が私たちにとってはとても大切な時間であり二葉学園で働く魅力ではないでしょうか。

「子どものために」が支援の根本にあること

二葉学園は、常に「子どものために」を追求してきた施設です。長い歴史の中で、常にその時代の子どものニーズをとらえ、制度がなければ国や都に掛け合い、独自の取り組みを行ってきました。

全国的にも数少ない、グループホームを8つも持つ施設になっているのも、元はといえば子どもの意見が始まりです。施設生活が長期化する子どもたちに対しより家庭的な環境を整える意図で、グループホームが制度化される前に第一分園を立ち上げてから、グループホームでの生活を望む子どもが徐々に増えていきました。「自分もグループホームで生活したい!」という子どもが増えるたびに議論検討をし、現在の数まで増やしてきたのです。地域に分散することによる職員に係る業務負担、働く上での難しさも当然あります。それでも、毎回、どんな工夫で乗り越えられるかを議論し、何より一般家庭の子どもと同じように生活したいと願う子どもたちの思いを尊重してきた歴史があります。どんな時も、会議の時に聞かれるのは「子どもたちは何を求めているのか」「子どもたちのニーズに合った支援をするにはどうしたらよいのか」という考え方です。

現在もその精神は変わりません。グループホームは、職員と子どもが相談しあって生活上のルールを決めて生活をしています。子ども個人の支援計画も、日々個別に時間をとって本人と話しあいながら、一緒に方向性を考えていく姿勢を持っています。職員の見立てる将来像と、子ども自身の考える自分像をすり合わせながら、一人ひとりにとってより良い支援を立てていきます。

また、職員発信だけでなく、今の時代を生きる子どもたちからの意見も常に求めています。例えば、年齢別に集まる児童会にて意見発信の場を設け、子どもたちが話し合って職員に要望を出せる仕組みを作っています。今までに「おこづかいUP!」「おしゃれにかける予算を別で立ててほしい!」「Wi-fiを全ホームに設置してほしい!」といった内容で要望書が提出され、学園の仕組みを変えるに至っています。

「子どものために」常に議論を重ねている職員集団ですが、時には子どもと議論になることもあります。反発されることもあります。職員としては、その反応にまた成長を感じたり、子どもの考えを聞いて新たな気付きをもらったり。逆に職員としての力量を育ててもらっているのかもしれません。